
映画ファンにとって、12月は『見知らぬ人々 』や『ザ・ブルータリスト』といった話題作・良質な映画が次々と公開される時期ですが、1月は『355』や『ザ・ビーキーパー』といった、あまり名作とは言えない作品が次々と公開される時期なので、いつも戸惑いを感じます。そして2025年1月も、ジェラルド・バトラー主演のアクション続編『デン・オブ・シーブズ2 パンテラ』 と、ブラムハウス監督のホラー映画『ウルフマン』と、同じような展開になりそうです。
しかし、よく見てみると、この月には本当に良さそうな映画が6本ほどあることに気づきます。驚きですよね? 以下に挙げる3本は、ホラー、アニメ、スリラーなど、ジャンルは多岐にわたりますが、どれも同じ「楽しい時間」を約束してくれる、数少ない作品群の中で特に優れた作品です。新年にこれ以上何を求めるでしょうか?
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ザ・ダムド(1月3日)

1月はホラー映画にとって異例なほど好調な月だ。2年前にはソーシャルメディア現象となった『M3GAN』、昨年はプールサイドで放映されたキラー映画『ナイトスイム』が公開された。2025年も例外ではなく、『ザ・ダムド』はブラムハウス映画2作品の成功を再現することを期待している。
19世紀のどこかで、小さな村の近くの海岸に船が難破する。生き残った乗組員たちは町民に助けを求めるが、冬で食料は乏しく、若い未亡人(オデッサ・ヤング)を含む多くの人々は、考えられない決断を迫られる。乗組員を救って飢えの危険を冒すか、彼らの懇願を無視して厳しい季節を生き延びるか。
『THE DAMNED』公式予告編(2024年)オデッサ・ヤング、ジョー・コール主演ホラー映画HD
『ザ・ダムド』は、町民の行動がもたらす結果と、罪悪感が超自然現象を通してどのように顕現するかを描いたホラー映画です。一体どの選択が正しいのでしょうか?そして、間違った選択をした人々は、目に見えず触れることもできない力によって罰せられるのでしょうか?『ザ・ダムド』は、ロバート・エガース監督の『ウィッチ』や『ライトハウス』に劣らず、不気味な作品となるでしょう。どちらも、その厳粛なロケーションを効果的に利用しています。
ナイトコール(1月17日)
ナイト・コール - 公式予告編 | 主演:ジョナサン・フェルトレ、ジョナス・ブロケ、ロマン・デュリス | 1月17日
『ナイト・コール』は興味深い設定だ。マディ(ジョナサン・フェルトレ)は昼間は学生、夜は鍵屋として働いている。ある晩、友人のクレア(ナターシャ・クリーフ)から、彼女の家ではない場所の鍵を開けてほしいという電話がかかってくる。クレアが謎のバッグを持ってマディを置き去りにした後、マディはそのバッグの持ち主であるヤニックに捕まる。さらに悪いことに、ヤニック(ロマン・デュリス)はギャングスターで、しかも悪党だった。こうして、マディはクレアを見つけ出し、バッグを取り戻し、ヤニックとその仲間たちから逃れなければならない、緊迫した夜が始まる。
ミヒール・ブランシャール監督は、ありきたりなアクション映画を作るだけでは満足しない。『ナイト・コール』はブリュッセルで起きたブラック・ライブズ・マター抗議運動のさなかを舞台に、黒人のマディはヤニックとの個人的な葛藤を抱えながらも、その渦中に巻き込まれていく。その結果、社会的な共感を呼ぶスリラー映画が誕生し、『フレンチ・コネクション』や『マラソンマン』といった70年代の名作を彷彿とさせる作品となっている。もし『ナイト・コール』がこれらの映画の半分でも良ければ、2024年で最も興味深い映画の一つになるかもしれない。
内なる色彩(1月24日)

高校生の多くは、楽器を演奏したりスポーツをしたりといった、ありふれた才能を持っている。しかし、戸津子は人を色として見ることができる。赤い人もいれば、水色の人もいる。しかし、戸津子のクラスメイト、キミは不思議な色を放っていて、その少女は彼女に惹かれてしまう。
書店での気まずい出会いの後、トツコはうっかりピアノが弾けると口走ってしまう。ギターの腕前が抜群のキミは、トツコとテルミンを弾く10代の少年ルイとバンドを組めると知って大喜び。3人のティーンエイジャーが音楽を作りながら、互いへの想いを募らせる中で、数々の失敗を繰り返す喜劇が展開していく。
THE COLORS WITHIN | 公式予告編 - 1月24日劇場公開
『The Colors Within』は典型的なアニメコメディのように見えるが、そのビジュアルは決してありきたりではない。美しい映像美で、アニメという媒体を最大限に活用している。監督の山田尚子は、かつて『聲の形』や『リズと青い鳥』といった美しい映像美を手がけており、最新作ではさらに上を行くと約束している。アニメが苦手でも、今年の1月に『The Colors Within』を観てみてはいかがだろうか。2025年には、これほど素晴らしい作品は二度と現れないだろう。